ぢゅんぼうのフォトグラフィックジャーナル。強い毒を吐きます。大分県中津市在住の営業マン兼写真家。『あなたに一番近いphotojournalist』を自認。ちょっと変わったアルバム作家でもある。


by studiojunbow
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ブエノスアイレス同行記録 序章の序

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「なんで、あなたが行くの?」
たいていの人は、こう言った。
いくらTangoが好きでも、いくら好きなバンドやダンサー達でも、
「大金払って南半球のアルゼンチン共和国”なんか”、行く必要があるの?」
と言う人がほとんどだった。
嫁さんは「家のことを、きちんとやるんだったら。」と条件がでた。
もっともだった。仕事は順調とはいえ、収入が多いわけではない。
他にやりたいことがあるのは、嫁さんも同じ。
しかも一番忙しい12月の前半を費やしてしまう。
息子はクリスマス会の写真を父親が撮影してくれるものと思っていたらしく、「カマキリがんばるよ!」と言う言葉が微妙だった。保育園にも撮影を断る。罪悪感でいっぱいだった。

けれど、行った。行ってしまった。いや、行きたかったのだ。

2年前、Trio Los Fandangos の2回目のブエノスアイレスツアーからの帰国後初ライブで、
我々夫婦は驚愕した。

「音圧」と「音感」が増している!
それまでは「ソリッド」ではあったが、やはり3人。
それにバンド名のように少々荒っぽさがあった。
それがどうだ。
聴ける、いや聴かせてもらえる!乗れる!
「なんだか、人数が増えたみたい。」とは嫁さんの言。

何があったんだ?ブエノスアイレスで?

現地ラジオのサイマル放送を聴くことしか出来ない状況で、
誰と出会い、どういった会場で、どんなお客の前で演奏してきたのか???

「オレ、次回は一緒に行ってくるわ!」

「まあ、行ってみてよ。」.....冗談と思い、笑った嫁さんの顔を覚えている。

けれど、あの日から決めていたのだ。
この時から、私の視野に南半球の国が入ってきたのだった。

(つづく)
by studiojunbow | 2013-12-19 15:37 | TRIO LOS FANDANGOS